森 広隆 初ワンマンライブ -Live Report-

森 広隆 初ワンマンライブ -Live Report-

はじめにの能書き

ライブから2ヶ月も経ってしまってからようやく重い腰を上げる事にしました。
この間、レポを書こうとは思ってはいたのですが、どうしても個人的な感情ばかりが先走ってしまって、書いていいものかどうかずっと悩んでいました。
まぁ、今までもこのサイトは十分個人的で、感情入りまくりで「そんなこと今更言わなくても」と思う方続出でしょうけど、あのライブは『公に発表しているファンサイトでのレポート』として、(これでも)自分では一応区切りをつけていたものを、遥かに超越してしまっていて、中々書き始められなかったのでした。
けれど、年も新しく変わって去年を振り返れば、自分の中で燦然と輝くライブだった事は動かし様の無い事実ですし、今まで曲がりなりにもファンサイトというものを運営してきて、あのライブを抜きに進めるわけにはいかないという気持ちが強くなってきたわけです。
そんなわけで、重い重い腰を上げるわけですが、皆様ご想像の通り、長ーく長ーくなるわ、感情が入りまくるわという読むに耐えないシロモノであると思われます。(2ヶ月経った分少しは落ち着くんじゃないかという淡い期待は無理ってものでしょうか...)
「それでもいいよ」という酔狂なお方がいらっしゃいましたら、どうぞ先にお進み下さいませ。<まぢで長いです...>

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【森 広隆 初ワンマンライブ】

2002年11月1日(金)朝から雨。
ワンマンライブが発表になった7月からあっという間に4か月が過ぎ去って、この日を迎える。この間、怒涛のインストア&ライブスケジュールを森君はもちろんのこと私自身も駆け抜けていた。ライブの回数を重ねれば重ねる程、ワンマン当日が近づけば近づく程、膨らみっぱなしの期待感が訳も無いハイテンションを生み出して、それが頭の中だけでグルグル回っている状態が続いて、何も手につかないままこの日になった気がする。けれど、このハイテンションがライブ後の飲み会やお花を贈ろう企画の原動力となっていたのも確かな話で、主に支障をきたしていたのは森君関係以外の事(仕事とか仕事とか仕事とか)だったりして...。

さて、当日はちゃんと会社にも出勤する予定だったのだけれど、急遽大好きな歌舞伎のチケットを貰ったので、さっさと有給にしてしまって、歌舞伎を見た後ライブという変なスケジュールになってしまった。
歌舞伎を見終わって歌舞伎座を出た瞬間、「この後ワンマンライブだ!!」という感情が一気に身体中を支配して、この時点でもうクラッときてしまった。(早過ぎです)その後気を持ち直して、銀座まで歩いて出て、そこから地下鉄に乗った。乗っている間ずっと気もそぞろで、何回も「あと何駅、あと何駅」と、何百回と乗っているその銀座線の路線図を確認しては挙動不審で注目を浴びていた...かもしれない。(周りを気にする余裕はゼロでしたから)
そしてついに(!?)「次は渋谷~、渋谷~、終点です」という車内アナウンスが流れたその時、興奮は一つのピークをを迎え、心臓の拍動が強すぎて本気で呼吸困難に陥いるかと思った。「今からこんなんでどうする...」と、思っていた以上の自分の興奮振りに驚くと共に少しだけ反省。

駅を出た後、友人との待合わせ時間に大分時間があったので、一度会場である渋谷クラブクアトロまで足を運んでみる事にした。エスカレーターを上って会場付近まで行くと、会場の中に沢山の花が見える。「あるかな、あるかな。」とドキドキしながら探せば、ありましたよ!『ファン有志一同』と書かれた生花が!!他の花に負けない(?)位どうどうと立派な花だったので嬉しさ倍増。と同時に無事に届いて良かったなという安堵感も込み上げてきた。「ちゃんと、お花届いてましたよ~」と心の中で参加してくださった皆さんに大声で呼びかけてみたりして、動作は小さ目にガッツポーズ。
うんうんと一人満足気に頷きながら会場を後にしつつ、友人との待合わせの為一旦渋谷駅に戻る。どうにか雨は止んでくれそうで一安心だわ。ところがその友人が来ない。山手線が事故で遅れているらしい。友人の携帯は電話しても出ないし、開場する前にお花のお金貰ったりしなくてはいけないので、時計を睨みながら期待とは別のドキドキに焦ってしまった。それでも、何とか友人と合流して会場へ急いで着いてみれば、既に沢山の人が並んでいるではないですか。「いよいよだわ!」と期待も更に膨らんで階段を上ると、知った顔の方も、初めてお会いする方も、沢山の人達が声をかけて下さって、「ファンサイトやってて良かったなぁ」とつくづく感じる第一弾だった。(この日は何度もそう思うのだ。) そして、いよいよ開場!!

——

会場に入って、チラリと物販に目をやりつつ、ダッシュで階段を駆け上る。(良い子はまねしないでね!)
ライブスペースに入った瞬間、いつものクアトロも何故か違ったように感じた。期待が高まりすぎて目もおかしくなったのだろうか。「クアトロもきっと期待でいっぱいなんだ」とわけのわからない事を思ったりして、今考えればこの時点で大分いっちゃってたのかもしれない。ステージ前に行くと、HさんSちゃんが「ぶんさんどうぞ」と最前列に入れてくれる。(HさんSちゃん、本当にありがとうっっ!!!(T_T))
場所を確保した後は、コートと荷物をロッカーに入れに一旦下へ。でも本当の理由はやっぱり物販だったりして、ロッカーに行く前にまだ誰もいなくて寂しそうな物販へ向う。(そりゃそうだ、みんなまずライブスペースに行くのだから...)「Tシャツ、キッズL両方下さい」(2色あるので)と言うつもりが、思わず「Tシャツ、キッズL全部下さい」と言いそうになったりしながらも両方とも購入して、しかもトイレでTシャツに着替えてくるという浮かれっぷり。きっとあの日、会場の観客の中で着ていたのは私だけだったかも...。
ロッカーに荷物を詰め込んで、会場に戻った後は友人や周りの人達と談笑しながらも、身体の中では神経切れちゃうんじゃないかと思うくらい、テンションは最高潮になっていった。実際、自分の興奮の上限はこんなんだったのか!と振り返ってみて驚くやらあきれるやら。

そんな中、客電が落ちた。
一瞬、息が詰まる。そして叫ぶ。

「とうとうこの瞬間がやってきたんだ!」と思うとそれだけで胸がいっぱいになってしまいそうだった。でも、ライブはこれから。込み上げる気持ちを押さえつつ、期待と興奮の方が上回って、歓声(というよりは奇声!?)をあげながら、メンバーの登場を見つめる。ここのとこ定着してきた5人編成だ。紺ちゃん、波多江さん、河内さん、馬場さん・・・そして森君!!
森君だよ、森君!!(当たり前です)
どうするっっ!?!?(どうもしません)
森君は並立概念Tシャツのオレンジにジーンズといういでたち。そして、なぜかマイクの前には加湿器がもうもうと湯気を立てている。これはもう少し後で判明するのだけど、なんとコーヒーメーカーでお湯を沸かしているのでした。(しかも自前だったらしい)会場全体が禁煙だということといい「あぁ、森君だけのライブ(=ワンマンライブ)なんだなぁ」と強く感じる場面だった。
嬉しいなぁ。嬉しいなぁ。めちゃめちゃ嬉しい~~っっ!!

——

 ライブは“Fuzz Master”から幕を開けた。
最初っから森君の楽しくて仕方がない様子が伝わってくる。もちろん、私も楽しくて仕方がない。あの独特のリフにどんどん惹きこまれていく。唄のサビの部分もばっちりだ。良かった。今日は喉の調子良さそう。安心した分更に嬉しくなる。
でも、最後の所で「ん?」となる。チョロっとギターがずれた。それでも、リズム隊(特に波多江さんの力大)の安定感があるのでラストはきちっと締まった。さすがだ。
続いて“Bomber”!ここでもうカバーやっちゃうのネ。今までの“Bomber”の中で一番のっている気がする。森君この曲本当に好きなんだなぁって、ガンガン踊りながらもすごくそれが伝わってくる演奏だった。森君すごい!山下達郎(呼び捨てスマンです)も、もちろんすごい!と思いながらも、大里師匠(またの名をギター小僧)もいればいいのになぁとふと感じたのは私だけじゃなかったと思うんだけど...。大里さんはどこから見てるんだろう?とチラッと考えた。もっちろん、馬場さんのぐいんぐいんなギターもロック好きには満足です。この曲のラストの紺ちゃんのベースも良かった。
そして、最近のヒット“退屈病”。ツインギターの本領発揮って感じで森君も馬場さんもバリバリ。それをしっかり支えているのはやっぱり紺ちゃんのベースと波多江さんのドラムなんだよなぁ。波多江さんは全部Myセット&森君チューンでいつも以上にパワフルさも華麗さも増している気がする。これに河内さんのキーボードが加わると、豪華絢爛。(言葉合ってない気もする)ちなみに後ほど出てくる玉木さんが加わるとこれはもう満漢全席だね。(余計意味わかんないよ)

 ここでようやくワンマン一発目のMC。

「どーも。森広隆でーす。イエーイ!オィース!(お客もオィース!)元気が無いぞー、オィース!(お客:オィース!)まだまだ小さいっ、オィース!(お客更に:オィース!)うん、満足。」

と、森君ニッコリ。

そして新曲“オーイ(仮題)”へ。【注:2ヶ月経った今もって、これともう1曲の題名は判明しないけど、もうめんどくさいのでここではこの表記で。ちなみに、もう1曲は全くわからないから相変わらず”新曲K”で。追記:2004.6.9発売の『Rainbow Seeker』のカップリングで、”新曲K”は”白日”という曲名で収録されていました。歌詞とか少し変わってましたけど】『コメ喰ってるか~』と歌われるとなんかドリフの全員集合みたいだと毎回思ってしまう。(それがねらいか!?)

4曲が終了した所で、森君と馬場さんを残して他のメンバーは一旦退場。森君もアコギに持ち替えて、二人で渋くブルージーに“共生”。間奏の後のこれでもかっていうタメが好きだな。

そして次の曲の前に森君はこんなことを言ってた。

「波照間島に行った時に、身体が思うように動かないのが辛いと言っているおばさんに何かしてあげたくて、自分が苦しかった時の曲をおばさんに唄ったんです。おばさんは『ありがとう、ありがとう』って喜んでくれたけれど、それはその曲に感動したというわけではたぶんなくて、歌を唄ってくれたという僕自身に対する感謝の気持ちだったんじゃないかと思うんですよ。その時表現っていうのは難しいなぁと思って、今まで自分の中にあるものを形にすることに頑張ってきたけど、個人的なものともう一つ、人が普遍的に持っているものを伝えることが出来たらいいなと思って、この曲を作りました。」(大体ですが)

そうやって歌ってくれた“新曲K”は森君の心の琴線にちょっと触れることができたような温かい気がして、その分余計にこの曲は胸に染みてくる感じがした。

曲が終って会場全体がしんみりとでも暖かな空気に包まれた中で、森君は波照間島で泊った民宿の話をしだした。あ、これはっ!!いきなり、しんみりから覚醒。思わず横にいた友人と顔を見合わせてガッツポーズ!’mellow tones Vol.2’で1回聞いただけのあの曲だよね!“民宿の親父”!!あの時聞いた時よりも、もっと沢山の面白いエピソードも聞けて、会場全体が一転、笑いの渦の中に。面白すぎる~。前にも書いたけど、歌い終わってこんなに笑いが取れる曲も珍しい。またもや大いに笑わせていただきました。

大笑いが一段落した後、

「’mellow tones’というライブをやっていて、まぁ、飲み会ライブなんですが、その仲間を呼びたいと思います」

という森君の紹介と共に河内さんが、そして、もう一人玉木さんが登場して、今までにない編成で“イツモドオリ”が始まった。玉木さんのパーカッションは相変わらずめちゃめちゃムーディーだわ。河内さんはゆっくりな曲とテンポの早い曲で表情が変わるから面白い。演奏のノリもガラっと変わってくる。こういう多面性のある演奏好きだなぁ。

続くは“密室”。この曲はいつも初めて聞いた時を思い出してしまう。第1回目の’mellow tones’の1曲目だった。森君の音楽の幅広さにガツーンとやられた、でもなぜかちょっとセンチな自分の感情も引きずられてくる、あの不思議な感覚を今でも思い出す。

曲が終って、森君がチューニングしている間に、紺ちゃん、波多江さん登場。フルメンバーでの“並立概念”となった。この曲はすごい曲だなぁっていつも思いながら聞いてる。このアレンジになってからの曲の深みというか広がりがグンと増した気がして...。

そして“不思議な模様”。昔からある曲なのに、アルバムに入ってから耳にする機会が多くなって、古いけど新しいという変わった感じのする曲。(大分前に1回だけ聞いてますが...。)題名に似てとても不思議な雰囲気が漂っているんだよなぁ。

——

森君のMCから。
「どの曲も歌ってて楽しい!本当に今日はみんなと会えて嬉しい。嬉しいー!嬉しいゾ!コノヤロ。コマネチ(×2)」
もちろん振り付きで...。何故コマネチなんだ...。という私の疑問にお構いなく、

「こっからアップテンポな曲行っちゃうぞー!(お客:イエーイ!)準備はいいかー!?行っちゃうぞー!!」

そしてあの大好きなイントロ“エレンディラ”が。こっからもう止まりません。森君も、バンドの皆さんも、お客さんも、もっちろん私も!森君・紺ちゃん・波多江さん・河内さんの4人編成で、やっぱりこれが森君バンドスタイルの基本だなぁとつくづく思った。そしてそれに“エレンディラ”は本当に良く合う。

次は何?“黒い実”だ!この曲を初めてバンドスタイルで聞いた時「なんてかっこいいんだろう!」って思ったけど今日はその何倍もカッコイイ!紺ちゃんのベース最高!!

息つく暇無く続いて始まった曲は“Trash”。イントロで森君は楽しそうにピョンピョン飛んでます、飛んでます。サビもバッチリ声出ていて、「今日のライブはこの後も大丈夫だ!」ってすごくすごーく嬉しかった。

そして森君のMC
「ありがとー!ありがとうございます!!みんな楽しんでる?もう踊っちゃってー!歌っちゃってー!」
ハイ。既にバッチリ踊っております。前で騒ぎ過ぎでゴメンナサイ。でも止まらないんだもーん!(開き直り)

馬場さんが戻ってきて、ここから怒涛のラストスパート!まずは紺ちゃん大活躍の“ショートケーキ”から。初めの紺ちゃんとの掛け合いがいつもよりたーっぷりあって楽しかった。この曲に限らず、大なり小なり全ての曲がワンマン特別バージョンになってたような気がするのは気のせいかなぁ?そして最後に「食べたーい!」と叫ぶ所で、
「ケーキ食わせろ!コノヤロ!コマネチ(×2)!」

とまたもやコマネチ発動!ちょっとやり過ぎです(笑)

続いて“ただ時が経っただけで”のイントロに入るとお客さんからも大歓声が!やっぱりこの曲人気高いよね。もちろん私も大好きさっ。この曲と“ゼロ地点”は森君と言えばこれっていう曲だと思う。

そして、待ってましたよ!波多江さんのドラムソロ。もっともっとやって欲しいくらいだわぁ。本当にすごい。

波多江さんのドラムソロに続く曲といえばもうこの曲でしょう!“ゼロ地点”!!もう楽しくて楽しくて、頭から湯気が出てるんじゃないかっていう位踊ってる。周りや後ろのお客さんのことは全然意識もしてなかったけど、なんとなく後からも熱気がステージまで伝わってきてるような気がした。森君から、バンドメンバーからもそれに呼応するようにものすごいエネルギーがどんどん押し流されてくる。この時、この場所に共にあることができて本当に嬉しいっっっ!!森君の力の入れ様に弦も切れてるし。(森君ちょっと苦笑い)

そして大盛り上がりの中終了。

「ありがとー。今日は皆さんどうもありがとうございました!!」

と叫ぶと森君は一礼して去って行った。

——

 もっちろん、このままで終らないよね!?だってワンマンライブだもん!「早く・早く」というお客さんの心が伝わっていくように、アンコールを待つ拍手は早くなったり遅くなったりしながら鳴り止まない。

 そして、今度は水色の並立概念Tシャツに着替えた森君が登場!

「改めてメンバーを紹介します!」
と一人一人名前を呼べば、バンドメンバーもオレンジの並立概念Tシャツに着替えて登場。みんなニコニコしながら出てきて、いかに今回のライブが楽しかったかわかるような気がした。

そして全員集合した所で...森君のギターが無い...。あ、そうださっき最後に弦切れちゃったんだった。森君はギターに差すコードを持って、身振りでギターを弾いてみたりしている。

「ライブだからね。こういうアクシデントもありますよね。あ、楽器が無くなったとか・・・。」

無くなったんじゃありません。それじゃ、盗まれたみたいじゃないか。ぷぷ。

少し経って無事にギターも登場して、いよいよ始まるカーニヴァールッッ!!(お前何者だ<自分ツッコミ)“Isn’t She Lovely~ラテン・バージョン~”。だってもうお祭でしょ?本領大発揮の玉木さんが盛り上げる、盛り上がる。会場全体がもうノリノリ(死語か.な...)間奏での玉木さんと波多江さんの掛け合いはものすごく圧巻!!打楽器だけなのにこんなにムーディーに、でもめっちゃ楽しい雰囲気をかもしだせるなんて本当にスゴイ!スゴイとしか言いようがない。そしてやっぱり出ましたボックスステップ。お客さんもハンドクラップで一緒に参加して会場全部で演奏してるみたいだった。めちゃめちゃ楽しーーっっ!!

そしてステージ前方にキーボードが持ち出される。最後は鍵盤弾語りで締めてくれるのね。もちろん曲は“Pebama”。シンプルにギター弾語りとかも好きだけど、バンドスタイルで情感たっぷりに聞く“Pebama”はもっと好き。今日は本当に本当にいいライブだったなぁと思ったら、あ、あ、涙腺が...。堪えろ、堪えるんだ。森君の歌に集中!!(したらもっと泣いちゃう?)とちょっと思いながらも
“Pebama”は終了。

「皆さん本当に今日はありがとうございました。ありがとうございました!」

と言って、森君&バンドメンバーの皆さんは客席に手を振って、みんな本当にニコニコして帰っていった。

(心の中の独り言:セーフ・・・。どうやら涙腺の方はウルウルッで済んだようだわ。だってこんなに楽しいライブなんだから泣いちゃったらもったいないじゃない。本当にいいライブだったなぁ。でも、もしかしてダブルアンコール有り!?)

ステージはまだライトがついている。客電も落ちたままだ。ステージをずっと見つめながらひたすら手をたたいて待つ。
すると、森君が一人で出てきた!ダブルアンコールだ!!うわぁ、嬉しい!!森君はギターをかかえる。チューニングに入るが、どうも思うように合わないらしい。色々いじっている。困ったように、

「長らくお待たせしております。こんな時に限ってチューニングが合わないよーっ!」
と叫ぶ。お客さんから「ゆっくりー」の声がかかると
「優しい。ほんとにみんな優しいね。」
と嬉しそうだった。結局、機械に頼らず最後は自分の耳でチェックしてチューニング終了。お客さんから拍手が。
「ありがとうございます。最後は弾語りで。」
と言って歌おうとしたけど間が出来ちゃって歌いだせず、森君苦笑い。

そして、最初のコードが弾かれた...。

私はこの瞬間まで、あれほどやって欲しいと言っておきながら、この曲をやってくれるとは思ってなかった。もちろん、やってくれたらいいなぁとはずっとずっと思ってはいたけど・・・。「弾語りだし、どう考えてもそういう流れでしょ?」と他の人に後で言われたけど、それでもなぜか「”交差点”とかやるのかなぁ?それとも”Lover”かなぁ?」と思ってたりした。ワンマンでやって欲しいというのは極めて個人的な希望だったから。

だから、待ち望んでいた曲、“雨は止まない”の最初のコードがジャッと引かれたその瞬間、頭の中は完全にスパークしてしまった。と同時にぶわっと(本当に「ぶわっ」という言葉そのままに)両目から涙が溢れ出した。私は流れ出た涙を押さえきれず、下を向いて手すりにすがってしまう。でも、せっかくのこの曲で下を向いているわけにはいかない。グッとおなかに力を入れて、ステージの森君を見た。2年前の秋、私の人生が変わるほどの出会いはこの曲だった。あれからの2年間という時間の先にこんな日が待ってるなんて。森君が歌っている間中、どんどん流れ続けていた涙を拭うのも忘れて、ただひたすら森君を見ていた。全身で聞いていた。

最後のビブラートを歌い上げると、森君はニッコリと笑って
「今日は皆さんほんとうにありがとうございました。また会いましょう!また一緒に楽しみましょう!!」
と言って大きく万歳をした。そして、ステージ袖でもう一度
「ありがとうございました!!」
と客席の一番後ろに届けという位の勢いで大声で叫んで、そして大きく手を振った。

 これで本当に、森広隆初ワンマンライブは終った。

 その後も涙は止まらなくて、というよりも、それまで我慢していた分まで一気に流れ出してしまって多くの人に泣いてるのバレバレになってしまった。ま、いっか。ダダ泣きしちゃうくらい、本当に本当に最高のライブだった!!

おかげさまで、その後の飲み会も28人もの方に参加していただき、盛大に行うことができた。飲み会の間中、皆さん本当に本当に優しくしてくださって、「ファンサイトやってて良かったーーっっ!」とつくづく感じた締めくくりとなった。(間書いてないじゃん...)

 森君・紺ちゃん・波多江さん・河内さん・馬場さん・スタッフの皆さん・そしてあの場を共有することのできたたっくさんのファンの方々、全ての皆さんに感謝を捧げます。

 そして、もう一度、森君本当にありがとう!!!!

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