森広隆ワンマンライブ『グルーヴしようぜ☆』@渋谷O-nest

―ライブレポート―

今回、今までで一番男性比率が高かったんじゃないかという位、
男性のお客さんがたっくさん来ていてとても驚きました。
始まる前からステージへ向かって熱気が押し寄せている気がします。
ステージでは、森君前のモニターの間に、
箱馬(モニター等を乗せて高さを調節する四角い箱)が置いてあって、
「何故こんな所に?」と思っていたのですが、
森君が登場して歌詞カードを置いたので、納得が行きました。
通常の譜面台を置いてしまうと、その前にいる人が見えなくなってしまうんですよね。
森君の心遣いに初っ端から感動させられます――と思っていたら、
GrooveCasterを手に取った森君に宮川さんからツッコミが!
1曲目はエレガットからでした(笑)

1 I Got My Passport

今回も河野さんのRhodesは(以下:ローズ)音の粒がキラキラと光って、最高に気持ち良いです!!
開演前からの期待がグググッと更に高まって、テンションが既におかしいのは気のせいじゃないはず……

2 エレンディラ

満を持してGrooveCasterの登場です!!
イントロのカッティングで血の温度が確実に上がります。
森君のギターソロが堪りません。
そして、さっきのローズでも思いましたが、今回の音響めちゃくちゃすごい~~っっ!!!
森君もTwitterで紹介していた、ずっと担当して貰いたかったという近藤健一郎さんがPAをされています。
https://twitter.com/morihirotaka/status/957964757419438080
もう、音の粒と深みとが際立っているんです!!!
音量とバランスの調整も本当に素晴らしい!!
低音(特にベース)の音圧を上げてあるせいで、
バランス的にキーボードの音が潰れてしまうライブに、ちょくちょく遭遇するのですが、
ベースもガンガン来るのに、ローズやギターの繊細な音もハッキリと聞き取れます。
ローズの引き際の余韻の色っぽいことと言ったら!!
アップテンポの曲なのに音に酔いしれてしまいます。

さて、森君がワウペダルに足をかけました。
イントロからワウを使う曲なんてありましたっけ?

>>>ございましたーーーーーーっっ!!!

3 ショートケーキ

待ちに待ったバンドでの”ショートケーキ”です!!!
岡さんのベースが、もう最高過ぎて「ウヘヘヘ」とか変な声が出ましたよ。
(Bun注:”やっぱり猫~”とかもイントロでワウ使ってましたね)

「こんばんはー!森広隆です!!
 こんな極寒の日に来てくれてありがと~っ!!!
 本当にこの日を楽しみにしていたので、楽しみ過ぎちゃって毎日Twitterで呟いちゃってました(笑)
 1秒1秒を楽しんで行きたいと思います!」

4 Rabbit Hole

ヤヴァイ……
もう、ダメだ……
こんな序盤で、しかも”Rabbit Hole”で涙腺が大決壊。
これは、何なの!?
岡さんと宮川さんの間奏でノックアウトされ、
森君の歌とギターに心を揺さ振られて、自分でもどうしちゃったんだろうと思う位、涙が止まりませんでした。

5 密室

その直後に”密室”ですよ!(T_T)
直接体に沁み込んで来るローズの音と一緒に、濃い空気の中を漂っているような感覚でした。
森君もローズの音がめちゃくちゃ気持ちいいと大絶賛です。

ここで、次の曲でルーパーを使う説明が始まりました。

「機械を使って最初からテンポを決めて、それに支配されてしまうと、
 ちょっと前のめりにリズムを刻んだ後も決まった位置で拍を取らなければいけないので、
 結果的に次の拍までに間延びしてしまって、気持ち良くないからイヤなんです……
 宮川さんはそこを即座に対応してくれて、ビタッとリズムを取ってくれるんですよ。
 なので、どうやったらバンドを活かしてコーラスを入れれるかと考えて、
 録音しておいたコーラス(のフレーズ)を、毎回そのタイミングで踏むというやり方を考えてみました。
 ちょっとドキドキですがやってみたいと思います」

そう言って森君がルーパーを踏むと、”イツモドオリ”のコーラスが流れました。
(お客さん歓声)
すかさず、宮川さんがコーラスに合わせてドラムを叩き、岡さんもそれに続きます。
その電光石火のリズム隊に、森君も 調子に乗って 嬉しそうに何度もルーパーを踏んでいました(笑)

6 イツモドオリ(with ルーパーコーラス)

ローズの音が素晴らしい!
森君は踏むタイミングをミスらずにしっかり踏んでいました。
このやり方だと、アウトロで森君自身は口ラッパをしながらコーラスも入るという、ものすごく贅沢な仕上がりとなるんですね。

「初めて頭の中の音楽がそのまま演奏できました!!
 いつもライブやってる時、この辺(頭の周り)ではコーラスが鳴っているんだけど一人では出来ませんからね……。
 嬉しいっ!!(^▽^)」

「さて、次は更に高度に、1,2,3の3の所でルーパーを踏まなきゃいけない曲です。
 小節の頭で踏むのはまだいいんだけど、踏む所間違っちゃうと台無しですからね~。
 あ、順番正しい曲になってるかな。ちょっと、試してみていいですか?」

そう言ってルーパーを踏むと次の曲のタイトルが流れました。
セッティングは正しかったので、さて本番に……
となったはずなのですが、宮川さんが
「ちょ、ちょっと待って!」
と少々動揺しつつテンポを確認しています。
森君のMC中にあった「1,2,3」というテンポが実際とは微妙にずれていたようで、
森君の発したリズムに、頭の中で準備していたテンポが引っ張られちゃったみたいでした。
普段はドッシリと構えていて余り動じない宮川さんが、少しとは言え動揺しているのはちょっと面白かったです。
(宮川さんスミマセン)

7 Pretty Baby(with ルーパーコーラス)

今度こそ本当に本番!
宮川さんのカウントで始まった途端、森君が次のカウント1でルーパーを踏みました(ヤッチャッタ!!)
思わず宮川さんが小さく「コラッ(笑)」と突っ込んでいます。
さっきのMCは何だったのか……。
お客さんも大爆笑です。
仕切り直しの2回目はキチンと踏めていましたよ。
バンド編成で聞く”Pretty Baby”はめちゃくちゃ格好良かったです!
音の良さも相まって、もの凄くゴージャスなアレンジになっていました。

ここで、本日お土産として無料配布された、『MOTTAINAI ANTHOLOGY』について。
前回、消しゴムハンコで1つ1つロゴを押した所、CDを焼いている間にインクが遠心力で広がって、
まるでメタリカのロゴのようになる、所謂『メタリ化』が起ってしまったわけですが、
https://twitter.com/morihirotaka/status/958337869629632513
その説明の最中に、森君が「曲までメタリ化しちゃったら」とデス声で歌い出しので、
すかさず、宮川さんと岡さんがメタルバリバリのリズムを合わせてきて、めちゃくちゃ面白かったです。
お二人の瞬発力凄いわ(^-^)

「結局、今回はメタリ化を止める為に、
 ティッシュペーパーで何回も押さえるという(5回以上!)という工程を開発して、
 それに大分時間を取られてしまって、中々作業が捗らなかったんですよ。
 それが、Twitterで「良いインクが有りますよ」と教えてもらったんです!」

ここで、本日最大の爆弾発言が!!!

「そうそう、インクって油性と水性が有るんですね!
(ザワつくお客さん……)
「えっ!これってみんな知ってる事なんですか!?」
(お客さん、大爆笑)

森君の知識の偏り方はちょっと想像を超えていましたよ!
テレビみたいに「インクって油性と水性が―」のフレーズがエコー付きでリフレインするのを、自分の脳内で再現されるとは思いませんでした(笑)

「早速、Amazonでポチってみたら、これがすごいんですよ!!
 全然メタリ化しないんです!!
 ハンコを押してから少しタイムラグが有ったからかもしれないと思って、
 わざわざパソコンの所までハンコを持って行って押して速攻で回してみたんですが、
 メタリ化しませんでした!!
 ありがとう!ステイズオン!!
(※インクの名前)
「ステイズオーン!!!!」
無意味に叫ぶ森君。

「それで中身なんですが”Invisible Chain”のデモバージョンが入っています。
 と言っても、デモバージョンをそのまま入れるつもりだったんですが、
 聞いてみると、やっぱり、ウーンとなってしまって……。
 このギターをカンジ(川畑完之)さんが作ってくれた時に、
 『前のギターでは森君のやりたい事が出来ていないと思う』って言われたんですが、
 デモを聞いてみて、本当にその通りだったんですよ!
 それで、どうしてもやっぱりギターはGrooveCasterで入れたいと思って、
 ギター撮り直しちゃいました!(^-^)」

お客さんから「おお~!!」という大歓声が上がります。

「で、ギター撮り直したら、やっぱり歌も撮り直したいなと思ってしまって、
 ついでに歌も新しく撮り直しました!!!」

マヂデスカーーーー!!!!
めっちゃ嬉しいけど、もうそれってデモバージョンでは無いような……(汗)
ありがとうございますっっ!!!!

「それでは、ここでカバー曲をやりたいと思います」

8 Versace on The Floor(Bruno Mars)

めちゃくちゃかっけーーーーーー!!!!!
高音のノビが凄いです。
1月5日の「Favorite Cover Session」でやった時も良かったですが、
バンド編成でやると、曲の奥行きがもの凄く広がるので、煌びやかな仕上がりにテンションが上がりっ放しでした。

【森君弾き語り】
9 愛のBeat

森君が気持ちを込めて丁寧に歌うこの曲は、本当に胸を打たれます。
今回も最前列のお客さん一人一人と、しっかりと視線を交わしながら握手をして回っていました。

ここでバンドメンバーの皆さんが再登場です。
楽しそうな森君は目を輝かせながら宮川さんに振ると
「それどころじゃない。真剣です!」
と、次の曲へのキリッと引き締まった返事が返って来ました。
それを受けて、
「次の曲は一番最近出来た曲で、
 サビでコーラスが入って歌うっていうのが自分の中でブームになっていて」

と言いながら、ルーパーを踏む森君。
すかさず、リズム隊のお二人が続きます。
またまた「おぉ~」という森君とお客さんの声が上がると、
「さっきと同じネタじゃないですか」
と宮川さんは苦笑していました。

10 Everything is for you(仮)※(with ルーパーコーラス)

曲名が発表になっていなかったので、ずっと”新曲”と書いてきたんですけど、
歌詞カードにズバリ書いてあったので、仮称として使いたいと思います。
間奏で一人ずつメンバーを増やしながら弾いていく所がもの凄く格好良かったです。
と思ったら(今日このフレーズ多いよ!)、大サビでルーパーを踏むタイミングを失敗!!
曲が終わった後、森君は膝から崩れ落ちていました(笑)

ここで宮川さんがスネアドラム(一番左側の小太鼓)を交換します。

「メイプルからのメイプルですね!」
「そうそう」
「ヘッドが違うんでしたっけ?チューニングも?」
「そう、だね。ヘッドもチューニングも違うよ。それだけで(印象が)大分変わっちゃうからね」

宮川さんがそこまで気合を込めて演奏する曲はこの曲です!

11 黒い実

気合込めるのわかります!!!
もうね、めっちゃ黒いの!すげい黒いの!!(意味不明)
ギターのカッティングがエロイし(大分おかしい)、岡さんのベースもヤバすぎます!!!
ローズが会場中を染めて、宮川さんのドラムがどんどん底上げしていくんです。
もう、堪りません~~~~~!!!!
ラスト、宮川さんは熱の入る余りシンバルをぶっ倒してました。

12 Burnin’Heart

きゃあーーーーっっっ!!
来ちゃった!!
”Burnin’Heart”来ちゃったよ~っっ!!!
全身から飛び込んできたグルーヴが頭の中をグルングルン駆け回ります。
どうしよう!?ヤバイよ!!凄いっっ!!!(色々死亡)

13 Heaven

色々な所を死亡させたまま曲調だけクールダウン。
けれど、河野さんのローズが、岡さんのベースが、感情と涙腺をガンガン刺激してきます。
〆の余韻が心に刺さっていつまでも震えていました。

14 キラキラ

メモに曲名ではなく「キラキラ」しか書いてないってどうなの。
けれど、実際、曲名のように演奏もキラキラと輝いていて、会場中に☆が散りばめられていました(幻覚)

ここでまたスネアが「メイプルからメイプルへ」交換されます。

15 2D Star
16 Present Time(with ルーパーコーラス)

鳴り響く音楽が最高に格好良くて、グルーヴが余りに楽しすぎて、
メモを書くことを完全に放棄して、飛び跳ねておりました。
”Present Time”のイントロで「この曲何だ?」と思いましたが、
それもそのはず、ちゃんとしたイントロ聞いた事有りませんでしたね。
森君の頭の中でどんな音が鳴っているのか、ようやくわかりました。

「1秒1秒を噛み締めています」

17 Wonderful World(大田瑞希:セルフカバー)

初めて弾語りで聞いた時から、格好いい曲だなぁと思っていましたが、
バンドアレンジで聞くと、世界へと飛び出していく高揚感がいっぱいに広がって、
森君のオリジナルの曲ではないかと思っちゃうくらい、すごくしっくりきます。
ローズのソロパートが、よりワクワクとした気持ちを引き出していました。

18 メガロポリタンズ ファンク

「この曲は、ベース&『はばきかせていこうぜ』&ハンドクラップ2回、
 3つが揃って完成します。
 『海老』と『衣』が有って初めて天ぷらになるのと同じなんです!」

と満面の笑みで説明していましたが、3つ目の要素はどこへ行ったのか(笑)
(そもそも、その例えはわかりづら……ゲフンゲフン)
曲に入ってしまえば、お客さんも相当盛り上がって、気温もガンガン上がりまくりです。
ハンドクラップの所では、過去最高に「ヒュー!ヒュー!」という声が上がっていました。

19 Rainbow Seeker

岡さんのベースの刻みが全く持っておかしいんです。
地鳴りのようにベースの響きが下っ腹にボディーブローをかませて来るんです。
そこへ畳み掛けるように宮川さんのドラムがアッパーカットを繰り出して来て、
↓↑↓↑と吹っ飛ばされながら、体がドンドン上昇して行きます。
もう、天国に着いちゃったんじゃないでしょうか……

20 君への言葉

ローズが……。
河野さんのローズが……(号泣)

~アンコール~

お客さんの大歓声に迎えられてまず森君が登場し、バンドメンバーの皆さんを一人ずつ呼び込みます。

「Rhodes、河野 伸!
 河野さんのローズは相変わらずめちゃくっちゃ気持ち良かったっす!!」
「Bass、岡 雄三!
 岡さんのベースは本当にオシャレで、復帰してくれてこうやって一緒に出来て、本当に嬉しいです」
「Drums、宮川 剛……!!(笑)」

宮川さんは既にドラムに座っていて、またまたスネアを交換中でした。

「そのスネアすごくいいやつなんですよね?」
「これ?そうだよ。単板(たんばん)、一枚板のやつね!」
「単板っていうのが有るんですね。普通は何枚かなんですよね?」
「大体6枚のが多いかな。一枚の板を少しずつ曲げながら作るから大変なんだよ。
 それを、二つも持っているんです!!(ピースサインを掲げる)」

宮川さんのドヤっぷり(造語)にお客さんもついつい拍手を送ってしまいます。
森君も「すごいですね~」と素直に感心していました。

21 コーラナッツウイルス

キタキタ、キマシターーーーーっっ!!!
このメンバーでのバンド編成と聞いてから、絶対聞きたかった”コーラナッツ”。
本編でやらなかったので、ちょっと諦めモードだったんですが、
森君のカッティングを聞いて、悲鳴と共に飛び上がってしまいました。
その直後、ベースが入った所で微妙な違和感が……。
岡さんのベースが”RainbowSeeker”以上に超絶刻んでいるため、
森君のカッティングの音のピーク(立ち上がり)がいつも通りだと、
音がほんの少しずれて聞こえてしまって、違和感が生まれるのです。
もちろん、森君のギターがずれているわけではありません。
岡さんのベースが凄過ぎて、ギターもよりタイトな刻みを要求されるというハードモード。
ところが、ところがですよ!!
森君は曲中でそのカッティングを見事に調整して、ビタリと合わせました!!!
あの一筋縄ではいかないメロディーを歌いながら、
一度に何音弾いてるんだ!と突っ込みを入れたくなるあのカッティングを修正してみせたんです。
ブワーッと鳥肌が立ちました。
すごい!凄過ぎるよ!!森君!!!

22 Cyclone
23 ゼロ地点

楽しい!!楽しいすぎる!!!
グルーヴが会場全体に広がる中、自分の体も曲の一部になってしまったように感じて、
もう何だかわからないけど、めちゃくちゃ楽しくて、
降り注ぐ音の中を、ただひたすら踊りまくっていました

~Wアンコール~

名残惜しむお客さんの拍手が鳴り止まず、森君はWアンコールに出て来てくれました。
聞いていた私以上に、森君の顔が大満足で輝いています。
森君にとっても、本当に素晴らしいライブだったんだなぁと心から感じました。

【森君弾き語り】
24 ユートピア

お客さんの♪ラララ~を体全体で受け取ろうとする森君に、
涙腺がウルウル来てしまって、
歌いながらずっと心の中で「ありがとう~!ありがとう~!!」と思っていました。
歌い終わった森君もこの空気をじっくりと噛み締めるように一瞬うつむいて、
そして、大きな声で「ありがとう~!!!」と叫んでいました。
あっという間のライブでした。
こんなに時間が短く感じたのは初めてかもしれません。
でも、振り返ってみると、24曲・2時間半というボリューム大のライブでした。

これで通常の(通常とは?)ライブレポートは終わりです。
ここからは、自分語りをさせてください。すみません……(>_<) <<更に長文注意!!>>
ライブが終わった後、今までに感じた事の無い感覚に包まれていました。
頭が回っていない、語彙が無い、と言葉だけ見れば経験がありますが、地に足の着いていないような、現実感の無い不思議な感覚でした。
「これは何だろう?」
ずっと考えていましたが、そもそも、頭が回っていないので、上手く考えがまとまりません。
それでも何とか絞り出した言葉が、
「今まで森君を見て来た自分と、今日森君のライブを見た自分と、二人いるみたい」
でした……。
これでは、この人ちょっとおかしくなったかな、と思いますよね?
私も思いました(汗)
それで、もっともっと考えて何となく見えて来たことは、変わったのは私じゃなくて森君(のライブ)だということでした。

目の前で展開されたライブは、確かに『森 広隆』さんのライブでした。
曲も知っています。このメンバーでのライブも見た事があります。
けれど、耳で、体で、心で感じたのは「今まで見たことがない」という感覚でした。
またちょっとおかしなことを言うと、あの空間だけすっぽりと別の世界に置き換わってしまったような――
そこまで考えて、
「あぁ、『別次元』って言うのはこういう事か」
と腑に落ちたのです。

今までの森君の変化はずっと線で繋がっていました。
「前と比べてこんなに変わった!」と感じながら、その変化を楽しんで来ました。
今回のライブも一つ一つの変化を取り上げれば「前と比べて変わったこと」を言うことが出来ます。
けれど、その一つ一つの変化が一体となった時、そこにあったのは圧倒的に、完全に別物となったライブでした。

ステージの真ん中で最強の相棒を手に歌う森君。それを『サポートする』のではなく同じ目線で一緒になって演奏するバンドメンバー。
一曲一曲に、抜群の信頼によって解き放たれた思いが満ち溢れていて、けれど、ただエモーショナルではない、確かな技術と真摯な演奏というガッシリとした土台の上にこそ、生まれる音楽がそこにはありました。
しっかりと手をつないで音楽という輪を作るのではなく、それぞれの立ち位置で自由に動きながらグルーヴという骨太な線で繋がっている4人。大きくなったり小さくなったり、はたまた、○だったり☆だったりと作り出す形も様々に変わって行きます。
今、その瞬間に生まれた「生(なま)の音」が体を突き抜けて行く感触は、身震いする程気持ち良かった!!!
そして、その「生(なま)の音」がそのままの一番良いテンションとバランスで届けられた理由は、最高に素晴らしい音響のお陰だったと思いますし、その音を浴びたお客さんの反応もめちゃくちゃ熱かったです。
ステージと客席の間でグルーヴのうねりが寄せては返しながらどんどんと盛り上がっていくのを体中で感じ、「何だこれ!?何だこれ!!!」とその大波の中をひたすらめぐっていただけで、あっという間にライブが終わってしまいました。Wアンコールまで含めて2時間半が経っていたとは思いもよりませんでした。

しかも、散々これだけ書きなぐってきたにもかかわらず、未だに「こんなライブだった」と納得のいく言葉に出来ていません。全く足りていませんし、あの熱量と感覚を表す言葉を私は持ち得ていないのです。
ただただ、「凄かった!!!最高だった!!!!」と叫ぶだけではいつもと同じレポートじゃありませんか……。

けれど、違うんです。

森君、バンドメンバーの皆さん、一緒にあの空間を共有してくれた観客の皆さん、スタッフの皆さん、本当に本当にありがとうざいました!!

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